発売日 | 2023年1月20日 |
対応ハード | switch |
プレイ時間 | 50~60時間 |
プレイ動画 | これ |
公式サイト | ここ |
お気に入り度 | シトリニカ可愛い★★★★☆ |
◆前置き 購入した動機など
ファイアーエムブレム(FE)は3DSの覚醒でハマり、以降シリーズを購入し続けている。
神ゲーと名高い風花雪月が発売してから3年ほど経ち、風花雪月無双が発売してまたどっぷりとハマったものの、新しい世界観とシミュゲーの正当な新作を体が求めていた。
ずっと待ち望んでいた作品。迷わず購入することにした。
◆どういうゲーム?
・FEとは?
自分の軍を率いて戦うシミュレーションゲーム。数多くのキャラクターから出撃するキャラを選んで配置。将棋の駒のように動かしてキャラクター同士を戦わせていく。
キャラクターはそれぞれ装備できる武器の種類が異なり、相性がある。今作は剣、槍、斧の三すくみの関係も復活(ポケモン御三家のタイプ相性みたいな関係)。出撃する時は武器種のバランスも考えて、有利な状況を作れるようにする必要がある。
自軍編成の要素に今作は「紋章士」というシステムが追加された。マルスを始めとした歴代作品の登場人物が、「異界の英雄」として登場する。出撃するキャラに対応する指輪を装備させることによってステータス向上やスキル取得、特別な技を使えるようになるなどの恩恵が得られる。
・ストーリー
主人公はめっちゃ眠ってた。1000年も寝ていたらしいが、ある日突然目覚めた。
どうやら邪竜が復活したみたい。主人公が突然目覚めたことと何か関係が…?とりあえず、神竜なので邪竜を倒しにいくことに。そのためには、異界の英雄が宿る12の指輪が必要なので集めなければならない。
この世界には四つの国があり、各地に指輪が保管されている。指輪を集めるためにこの国々を順番に周っていく旅をする。
旅の道中で様々な出会いをし、共に戦う仲間を得る。また、邪竜の完全な復活を目論む謎の敵と指輪を巡る争いをしていく。
前作、風花雪月やifはマルチエンディングだったが、今作は1ルート。
◆遊んだ感想・よかった点
・最高のシミュレーションゲーム
今までいくつかシミュレーションゲームを触ってきたけれども、SLGはFEが1番面白いと感じている。今作は他にも遊べる要素がいくつもあって、興味を惹かせようと必死にプロモーションしていたようだが、FEのファンが1番期待している部分はSLGのはず。今作ではその要求を満たしてくれていて非常に嬉しい。この部分に関して書こうとしたらかなり長くなったので、いくつかに分けて記載していく。
①マップが複雑すぎない、遊びやすい
エンゲージに限った話では無いが、FEでは戦場となるフィールドは基本的に平坦である。平坦な地形に、いくつか戦闘に活かすギミックなどが配置されているようなものであり、そんなに複雑なものはない。だがそれがいい。
平坦なマップは簡単、それでは物足りないと感じるかもしれないけれど、複雑なマップは難易度以外の部分に良くない影響を与える事があると思っている。あるゲームでは高低差のある地形を取り入れているマップがあった。高いところから攻撃すると有利になるなど面白そうではあったが、実際に操作してみると結構ストレスを感じた。奥に潜む敵が見辛い、移動できるマスが把握しづらい、カーソルを合わせづらいなど視認、操作性で様々なストレスが生じた。改善する方法はあるのだろうけど、とりあえず平坦なマップであれば、こういったストレスがない。
マップが単純だと状況の整理がしやすい。目標の地点がどこか、敵はどこに潜んでいるか、味方をどこに動かせば戦況が有利になるかなど。マップが平坦であればすごくわかりやすくなる。遊びやすさと言う点ではFEのマップがちょうどいい。
②「紋章士」によるキャラ育成
キャラクターは戦闘をこなすと経験値を獲得し、レベルアップする。レベルが上がるとジョブやキャラの適性をもとにステータスが上がる。ある程度レベルが上がったタイミングで「クラスチェンジ」をすることで更なるステータス向上や高ランクの武器を装備できるようになるといった育成がエンゲージに限らずFE共通の内容。しかし今作では「紋章士」システムによって育成の要素がだいぶ変わった。
紋章士の指輪を装備することでステータスが向上する。どのステータスが向上するかは紋章士によって異なり、どのキャラと組み合わせるかを考えるのが面白い。装備したまま戦闘をこなすと紋章士との「絆レベル」が上がり、このレベルによってステータスの上がり方も変わる。絆レベルは他にも様々な恩恵がある。
キャラクターの「クラス」は攻撃役だったり回復役だったり、そのキャラクターの役割を左右する重要な要素。基本的にはキャラクター毎の元々の素養からクラスチェンジ先は限られるが、ある手順を経ることで別の素養を得てチェンジできるクラスを増やすことができる(作品によって異なる)。今作では紋章士との絆レベルを上げることで素養を獲得して、様々なクラスにチェンジすることができるようになる。素養を得るための絆レベル程度であれば簡単に上げることが出来るので、好きなキャラを好きな役割にしやすくなった。
「スキル」はキャラの強さを決定づける重要な要素。スキルによって基礎ステータスを底上げしたり、特殊な行動ができるようになって戦況を有利に運ぶことができるようになる。過去作では経験したクラスによってスキルを獲得していったが、今作ではスキルポイントを使って紋章士の持つスキルを「継承」することになる。
このシステムでは獲得できるスキルが一覧となって表示されるので、そのキャラに付けたいスキルの目標を立てやすくなった。紋章士との絆レベルに応じて継承できるスキルは増えていく。ただスキルポイントの獲得数が渋く感じる。
戦闘で役割を発揮するには、当たり前だが装備を整える必要がある。剣士だったら剣を持たないと話にならない。この装備についても紋章士が関わってくる。「紋章刻印」をすることで紋章士1人につき1つの武器に対してステータスの補正を行うことが出来る。威力を下げる代わりに回避が上がるなど、効果は紋章士によって異なる。この武器によってキャラの個性を更に伸長させることが出来る。
また、紋章士の指輪をつけた状態で「エンゲージ」することによって戦闘中に特殊な行動をすることができるようになる。ターン制限があり、その間はクラスに関わらず紋章士に応じた特別な武器を使用することが出来るようになり、強力な必殺技を放つことが出来る。
このように「紋章士」によって、元々の醍醐味であった育成が更に面白いものになっている。売りにしてるだけあってよく作り込まれているなと感じた。
③戦闘の演出が良い
マップでキャラ同士を戦闘させると、画面が戦闘のアニメーションに移行する。キャラクターの動きが滑らかで、見ていて飽きない。確率で発生するクリティカル時は特別なカットインと演出が発生。特にユナカの演出に濡れてしまうプレイヤーは多いだろう。紋章士とエンゲージした際の必殺技もカッコいい。特にユナカが。
・キャラクターの豊富さ、デザイン
仲間にできるキャラクターがとても多い。誰かしら性癖に刺さるキャラクターが1人くらいはいるのではないだろうか?
キャラクターは全て3Dでデザインされていて、とにかく綺麗。アニメの絵がそのまま3Dになったようなデザイン。会話の際に一切立ち絵がないが、そんな事で違和感を感じないくらいとにかく綺麗な3D。これはもう実際にいろいろ見たほうが良い。
しかし、こういったデザインは賛否両論あって、FEファンの中には少々受け入れ難いという声もある。だが自分にとっては絵柄自体は好みすぎて限界だった。新しいFEとして受け入れることにした。そもそも、沢山の作品に出演するマルスは作品ごとに顔が変わってるといっても過言ではない。
女性キャラ陣の豊富さ、綺麗さは特に好みだった。自分の中の一押しは竜の守り人フラン、ブロディア王国大公が娘シトリニカ。
・綺麗なアニメーション
ストーリーの随所に差し込まれるアニメーションは丁寧に作られていた。ほとんどの章でストーリーに沿ったアニメーションが挿入され、話の内容に引き込まれていった。それに単純にキャラクターが動いているのは見ていて楽しい。自分の好きなキャラだったら尚更。
・一生遊んで暮らせる空間「ソラネル」
RPGっぽい探索要素がある。主人公の拠点となる「ソラネル」では3DのRPGのようにキャラクターを動かして色んなことが出来るようになっている。この「色んなこと」が多すぎて一生SLG放り投げて一生遊んで暮らせる。
①寝室
ベッドがある。ここでは支援会話やストーリーの回想ができる他、「休憩」が出来る。休憩するとベッドで休むことになり、親密度の高い誰かが起こしにくる。
シチュエーションは親密度によって数種類ある。イヤホンで聴くとASMRのような耳元で囁かれる感覚に襲われて頭がおかしくなる。
②料理
食材を使って料理をすることが出来る。任意の2人を選び、出来上がった料理をカフェで一緒に食べる至福のひと時を過ごすことが出来る。
かわいい女の子一緒に食べるのでとても美味しい。ちなみに、次回出撃時にステータスが上昇したり親密度が上昇するなどの恩恵もある。
③アクセサリー屋
ここでは服や装飾品が購入できる。といっても戦闘で役に立つものではなく、ソラネル内での見た目を変えるためだけに存在する。主人公の衣装はもちろんだが、味方キャラ全員を自由に着替えさせることが出来る。元々の服装が戦闘服とは異なる私服でとても良いのに、更に数十を超える衣装が存在する。好きなキャラに好きな衣装を着せて性癖を満たしたり、新しい扉を開いたり出来る神スポットだ。
FEシリーズのamiiboを所持していると主人公と王族のみが装着できる紋章士の衣装を手に入れることが出来る。全部で12種類あるので、コンプリートするためには12種類のamiiboが必要。自分は男の衣装は興味が無い(女性に装着することが出来ない)ので揃えるには6個で済んだ。実際8個所持している。調子に乗って買いすぎてしまった。
※amiibo関連は厳密にはアクセサリー屋の機能ではないと書いた後に気づきました。
④その他
他にも以下のように遊べる要素がたくさんあって、無限に時間を溶かしていくことが出来る。この辺りで書くのが面倒くさくなったわけでは無い。ストーリーを進める際はほとんど無視していたが決して面倒くさかったわけでは無い。
他にも釣りスポット、紋章士の間での指輪磨き、ソラネルの守り神の祭壇など拠点「ソラネル」には一生ここで過ごせるほどのコンテンツが存在する。もっとキャラと触れ合える機能を追加して、これだけに特化したゲームを作って欲しいくらいだ。
◆遊んだ感想・残念だった点
・たくさんいるキャラクターを活かせていないメインストーリー
メインストーリー自体に不満はないし、展開は面白かった。だけどふと意識すると、後半ではほとんどの登場人物が存在感を消している。登場するのは各国の王族から長男長女1人ずつの計4人だ。王族には下の兄弟もいるはずなのだが、彼らは行方をくらませてしまった。ほとんどの登場人物の見せ場は、登場した初回の章のみだ。せっかく登場人物が多いのに、メインストーリーではキャラの魅力がわからない。支援会話を回収する以外で、キャラクターを掘り下げる手段がない。
後半登場させるキャラクターを絞るのはギリギリ大丈夫。大丈夫じゃないのはそのキャラクターにすらほとんど活躍した形跡がないことだ。会話で口を挟むだけ、ただそこに立つだけの存在となってしまっている。
この点は流石に風花雪月は素晴らしかったのに、と比べざるを得ない。風花雪月は学級を選んだ段階でストーリーが異なり、学級に応じてしっかりと登場人物の活躍の場が用意されていた。そういった人物の関わり合いが風花雪月の魅力であった。エンゲージにはそれが欠けている。
エンゲージがこうなってしまった理由は、「キャラの数に対してストーリーのボリュームが釣り合っていない」ことと「主人公が喋りすぎて1人でどんどん話を進めていく」ことであると思う。せっかくキャラクターが多くて、公式Twitterでもキャラクター多いですよ!って期待させるようなプロモーションをしていたのに、これはあんまりだと思った。なんというか、本当にキャラクターがたくさんいるだけだった。
キャラクターを抜きにしてもストーリーに関しては、「風花雪月のような重厚なストーリーを期待していて、それ以外興味ない!」ような人には絶対にお勧めできない。ストーリーは不満は無いし、面白かったと言ったけれども、「覚醒」に似たような展開ではある。自分は覚醒が好きだし、リメイクも待ち望んでいたから覚醒に似た雰囲気のゲームは楽しめた。シリーズやってる人は初っ端から覚醒かな?って思ったはず。
・オンライン要素に魅力を感じない
任天堂のゲームらしく、オンライン対戦機能がある。自分で地形、ギミックなどを組み合わせてマップを作り、キャラクターを配置することで対戦用の防衛軍を作ることが出来る。対戦用に作られた防衛軍マップはインターネットでアップロードすることによって対戦できるようになる。攻撃側は手動による操作、マッチングした防衛軍はCPUによる自動操作で迎撃するという仕組みのようだ。
自分でもやってみたが、まず防衛戦が発生しない。防衛マップ作るの結構手間がかかるのに、誰も対戦に挑んでくれないのだ。じゃあこちらから挑もう、ということでマッチングした相手の防衛軍はレベルが低い。全く苦戦することがない。一応対戦レートがあるが、上がり幅も渋い。対戦を続ける気には到底なれない。もしかして、古のゲームモバマスのに存在していたレートを上げるための殴られ屋のようなものしか防衛軍マップには需要がないのか?ならばゲームとしてはつまらない。
対戦以外にも、一つのマップを協力して攻略するという機能がある。利用するには専用のチケットが必要で、手に入れるにはFEシリーズのamiiboが必要。この時点で手間がかかるので、人口はそれほど増えないだろうなと予想できる。協力プレイなのに…。
更にこのブログを書いている時点ではランダムマッチが機能していない。なんでやねん。オンライン機能はSLGのやりこみが出来ると期待していたけれど、正直面白くない。ポケモンのテラレイドといい、そういうオンラインの機能を実装すること自体が任天堂からノルマとして課せられているのか?そしてつまらなくても無理矢理実装しているのだろうかと疑ってしまう。
◆全体を通した雑感
買ってよかった。肝心のゲームの部分は非常に満足。SLGはもちろんのこと、キャラゲーとしての部分が特に、素晴らしい。フラン、シトリニカとの出会いに感謝。
ストーリー、もうちょっとどうにかならんかったかね?巷ではもっと酷評されてるみたい。元々過去キャラの出るお祭りゲー感はあったからそこまで期待していなかったつもりだけれど…うーん。この
キャラクターの絡み部分が消化不良なので、当分は支援会話を回収するべく色々する。
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